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2018年 12月 09日

2018オーストラリア北東部探鳥記10

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「オーストラリア北東部探鳥記」シリーズは実質的に先号で終わり
本号は「付録」のようなものになる
というのは写真がフィールドで撮影したものでなく蝶園(バタフライガーデン)の中で撮影したものだからである

旅程の最終日、ケアンズ郊外などを探索したが、その途中キュランダという観光地に立ち寄った
アサートン高原の雲霧林の入り口くらいにある村で、ケアンズから観光鉄道がありロープウェイなどもあって観光客が多い
そのキュランダに観光用のバタフライガーデンがあり、実をいうと13年前にそこを訪れたことがあるのだ

今回の旅行はヨーク半島で多くの珍しい蝶を期待して出かけたのだが、不本意な結果で意気消沈していたため、邪道ではあるが飼育された蝶を撮影することにしたのである
観光用であるため大型のアゲハとタテハ類が主体で、季節のせいか翅が傷んだものが多かったが1時間余りを蝶の撮影に没頭することが出来たので結果をご披露することとしたい

Orchard Swallowtail
バタフライガーデンにはこのアゲハがたくさんいた
オスはモンキアゲハ似、メスはナガサキアゲハ似でよく見るとこのオーストラリアのアゲハのほうが日本のアゲハよりデザインがこみいっている
名前のOrchardは果樹園のことだが何故そんな名前がついたかはわからない
日本名も不明でオーチャドアゲハとでも呼ぶのだろうか

個人的に興味を持ったのがこのアゲハの尾状突起
アゲハには尾状突起があるものとないものの2種類があるのだが、この蝶は一見「無尾(突起がない)」のように見えて、良く見ると当該部分にでっぱりがあり「有尾」のようにも見える
中途半端なところが魅力的だ
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Cairns Birdwing
ご存知トリバネアゲハ
13年前、初めてオーストラリアに来てフィールドで生のトリバネアゲハを見た(撮影した)時の感動は今でも覚えている
実をいうとトリバネアゲハにはいろいろな種類があってケアンズにいたのはこの Cairns Birdwing である
ヨーク半島には New Guinea Birdwing がいるのだが、今回の旅行では全く姿が見えず、Cairns Birdwing との出会いもなかったので、バタフライガーデンで13年ぶりの再会を果たした(東南アジアで別種のトリバネアゲハには何回か出会っているが)
翅が緑色に光るほうがオスで黒いほうがメス
今回はメスをしっかり観察することができた
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Orange Migrant
バタフライガーデンにはシロチョウ科の蝶がほとんどいなかった
見たのはこのMigrant(ウスキシロチョウ)だけだが、前翅と後翅の色がはっきりと異なる翅表の写真まで撮影することができた
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Orange Lacewing
バタフライガーデンのハレギチョウ(Lacewing)はOrange だった
オーストラリアのLacewingは北東部にRed、北部(ダーウィン周辺)にOrange と棲み分けができているようだ
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Cruiser
名前の通り大型のタテハチョウ
オスはただの豹紋蝶のようだがメスは重厚なイメージがある
1枚目の写真の開翅しているのがメスだが残念ながら翅が破れていて見苦しい写真になってしまった
なお、このCruiserは和名をチャイロタテハといい、今年タイで撮影しているのだが、学名が少し異なるので別種(または別亜種)になるのかもしれない
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Varied Eggfly
ガーデンの中ではこのリュウキュウムラサキ(Varied Eggfly)も数が多かった
ただ翅の傷んだものが多く無傷の個体を探すのは苦労させられた
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Blue-banded Eggfly
日本名はアオオビムラサキとでもいうのだろうか
初対面の蝶で、ライトブルーの帯が美しかった
最後の2枚はメス
オスがブルーでメスが茶色というのはアオタテハモドキのパターンだ
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Lurcher
ヨーク半島で撮影したLurcher(キオビコノハ)にバタフライガーデンで再会した
フィールドの蝶ほどではなかったが、翅は傷んでいた
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Orange Tiger
この蝶は日本の蝶との共通種、南西諸島で普通に見られるスジグロカバマダラ(学名Danaus genutia を確認しているので間違いなく同一種である)
そういえばしばらく南西諸島に行っていない
スジグロカバマダラも数が減ってしまったのだろうか
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Blue Tiger
最後の蝶はBlue Tigerになった
日本名をミナミコモンマダラといい、迷蝶として日本でも記録があるので「フィールドガイド日本のチョウ」にも載っている
自分としては初めて見る蝶だと思う
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10回にわたった「2018オーストラリア北東部探鳥記」シリーズはこれで完結である
年内には旅行の予定もないので、そろそろ年賀状の準備でもしようかと思っている
(オフシーズン中にホームページのほうも手直しを検討しているのでご期待いただきたい)

















by mustachio | 2018-12-09 10:00 | Comments(0)
2018年 12月 03日

2018オーストラリア北東部探鳥記09

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今回のオーストラリア北東部(特にヨーク半島)遠征については、出かける前から「蝶の写真」を期待していた
海外で生まれて初めて蝶の写真を撮ったのは13年前のオーストラリア(ケアンズ)で、その時にトリバネアゲハなどに対面した感動は今でも忘れられない
帰りの空港で蝶の図鑑(The complete field guide to BUTTERFLIES OF AUSTRALIA)などを買い求め悦に入っていたものである
その後カカドゥ(北部オーストラリア)などでも蝶を撮影しているが、図鑑によればオーストラリアの蝶の多産地はヨーク半島だという
家内がヨーク半島に鳥を見に行きたいと言い出した時に二つ返事で同意したのは、蝶の写真が撮れると期待していたからだ

そして結果であるが、残念ながら「期待外れ」に終わった
もちろん野鳥の写真はしっかり撮れたし、環境も食事も素晴らしかったのだが「蝶の写真」だけはイマイチだった
蝶の数は少ないし翅の傷んだものがほとんどだった
どうも蝶に関してはタイミングを外してしまったようなのだ
オーストラリアの10月は乾季の終わりでこれから雨季に入るところ、乾季の終わりには野鳥は少ない水場を求めて集中するのでバードウオッチングには最適なシーズンのようだが、蝶に関してはそうでもなかったということらしい

もう一つ気になったのがオーストラリアは木に咲く花はあっても地上に咲く草花がほとんど見られないという事実
これは季節の問題ではないのかもしれない

それでもそこそこの写真は撮ってきたので図鑑順にご披露していくこととしたい

Banded Demon
まずお断りしておく
オーストラリアの蝶は図鑑があるので英名はわかるのだが、和名がわからない(あるいは和名がないのかもしれない)ので種別タイトルはすべて英語になる
このセセリはしいて言えばシロオビクロセセリといったところか
今回の旅行を通じてセセリ蝶を確認したのは1,2回だった
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Macleay Swallowtail
このきれいなアゲハチョウはアサートンで撮影した
一見アオスジアゲハ(タイマイ)属の感じだが尾状突起 (Swallowtail) がある
写真ではピンボケになっているが表面の中央部分は白く輝いていた
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Ulysses Swallowtail
この蝶にはちゃんとした和名がある オオルリアゲハだ
北東部オーストラリアを代表するアゲハチョウで、13年前のオーストラリア旅行でも翅表がブルーに輝くこの蝶を撮影している
今回もケアンズ郊外の公園で美しいブルーに再会したが、残念ながら写真は裏面しか撮影できなかった
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Lemon Migrant
この蝶は日本でも南西諸島で見られるウスキシロチョウだと思う
分布域が広く亜熱帯~熱帯アジアとオーストラリアに棲息する
ヨーク半島で一度だけ見かけたが、なかなか止まってくれずまともな写真は撮れなかった
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Yellow-spotted Jezebel
Jezebelというのは古代イスラエルの王Ahabの妃の名だそうで、毒婦とか妖婦とかの例えとして使われる
蝶の世界ではカザリシロチョウの英名として使用されるシロチョウ科の派手な色彩のグループのことだ
日本のシロチョウ科は一般的に地味な色彩だがアジア・アフリカなどにはド派手なデザインの蝶がいて面白い
オーストラリアにもカザリシロチョウが多く最初に登場するこの蝶も翅表はモンシロチョウのように白黒のモノトーンだが、翅裏は黒地に黄色のアクセントというデザインである
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Black Jezebel
Jezebel(毒婦)の名にふさわしく毒々しいデザイン
ご覧の通り黒がベースで赤と白と黄色が配色される翅裏だが、翅表はシロチョウそのもので黒縁はあるが全体が白い
正式な和名はわからないがクロカザリシロチョウとでも呼ぶのだろう
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Red-banded Jezebel
翅裏の配色は黒・赤・黄・白の基本色だが白の面積が大きいのでシロチョウ科の蝶らしく見える
カザリシロチョウは3種ともアサートンのランタナで吸蜜中のところを撮影した
ヨーク半島ではカザリシロチョウを見ていない
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Grey Albatross
アルバトロスという蝶は日本語で言うとカワカミシロチョウなどのトガリシロチョウの仲間
昨年はニューギニアでBlue Albatrossに出会い、今回オーストラリアでの再会を期待したがかなわなかった
代わりに出会ったのがGrey Albatross、カワカミシロチョウ(Common Albatross)にそっくりだが学名が異なるので別種のようだ
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Orange Bushbrown
Bushbrownはコジャノメの仲間
翅裏はコジャノメやヒメジャノメに似ていて翅表がオレンジ色のこの蝶はオーストラリア北東部の沿岸部に広く生息ケアンズでもヨーク半島でもお目にかかった
南アジアにはよく似たアカネイロコジャノメ(Tawny Bushbrown)というジャノメチョウがいるのだが、こちらも学名が異なるので別種のようだ
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Pied Ringlet
一見するとイチモンジチョウのように見えるが英名の通りジャノメチョウの仲間である
ヨーク半島で撮影したが地域限定の固有種のようだ
幅広い白帯が印象的だった
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Palmfly
ヨーク半島のヤシの木で撮影したが後で調べてみると名前もPalmflyという
オスはヤシの林にテリトリーを張るようだが、数は少なく希少種のようだ
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Red Lacewing
ハレギチョウの仲間は南アジアに多いがオーストラリアにもいて微妙に種が異なるようだ
オーストラリアのRed Lacewingは学名をCethosia Cydippeというが、タイなどで見るRed Lacewingの学名はCethosia Biblisで英名は同一でも別種である(オーストラリアのほうが黒縁も白斑も大きく赤は鮮明である)
このハレギチョウはケアンズ郊外の滝のある公園の川沿いの遊歩道で撮影した
翅が傷んでいるのが残念だが美しい蝶だった
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Bordered Rustic
Rusticは田舎者という意味だが、蝶の種類ではタイワンキマダラ属をRusticという
写真の蝶は翅裏は日本でも南西諸島に定着しているタイワンキマダラそっくりだが、翅表は黒地にオレンジの太い帯がありタイワンキマダラとはイメージが異なる
実をいうと2枚目の写真は翅がボロボロすぎて種名が確認ができない(Rustic かLurcherのいずれかなのだが前翅や後翅の突出部が欠落してして判定不能)
1枚目は間違いなくBodered Rusticなのだが、2枚目は「翅表はこんな感じ」という程度の参考写真として見ていただきたい
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Varied Eggfly
日本でも南西諸島まで行けば普通に見られるリュウキュウムラサキ
写真では3枚目がオスで他はメスだ
この蝶のメスは台湾型、フィリピン型、海洋型、大陸型と4タイプがあり、日本では台湾型が多いが、オーストラリアのメスは赤斑が目立つ海洋型だった
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Lurcher
日本ではなじみが薄いがLurcherというのはキオビコノハのことだ
ヨーク半島で何回か見かけたがいずれも翅がボロボロで情けない姿だった
前出のRustic によく似ているが、大型で翅型が完璧なタテハチョウ型なので翅の傷みがこの程度なら識別ができる
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White-banded Plane
ここから4種類ほどPlaneという蝶が登場するのだが、Planeの日本語訳がわからない
イメージとしては日本のミスジチョウ系なのだがミスジチョウの英訳はSailerである
ここでは英名をお伝えするだけだ
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Orange Plane
こちらの蝶はケアンズ郊外の自然公園で撮影した
要するにオレンジ色のプレーンとしか説明できない
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Black-eyed Plane
ヨーク半島限定の固有種であることは間違いない
撮影ももちろんヨーク半島
コミスジにメスアカムラサキ(オス)の白斑をつけたような蝶だった
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Yellow-eyed Plane
こちらはヨーク半島だけでなくオーストラリア北東部(沿岸部)が生息域で撮影もケアンズ郊外である
前出のBlack-eyed Planeにそっくりだが、注意をして写真を見ていただきたい
英名の示す通り前種は目が黒く、本種は目が黄色いのだ
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Common Crow
Crowはもちろんカラスの意味だが、蝶の世界ではルリマダラ系のグループをCrowという
日本の蝶(迷蝶を含む)ではツマムラサキマダラ、マルバネルリマダラ、シロオビマダラがこれに該当し、東南アジアではたくさんの仲間がいる
このCommon Crowはオーストラリア北部に広く分布する蝶のようでアサートンでもヨーク半島でもこの蝶に出会った
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Paradise Jewel
図鑑によるとこの蝶はヨーク半島のアイアンレンジ国立公園にしかいない希少種のようだ
熱帯雨林の木の上に生えるシダ類を食草とするらしい
「天国の宝石」という仰々しい名前のシジミチョウだが、じっくり見ると名前にふさわしい美しい蝶だ
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Bright Oak-blue
Oak-blue というのはカシ類を食草とするムラサキシジミやムラサキツバメの仲間
裏面は地味だがこの蝶も飛ぶときは翅表が青紫に光ってきれいだった
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White-banded Line-blue
日本の蝶でいうとアマミウラナミシジミに近い仲間
写真はメスだがオスはもっと青く光って美しい
撮影地はアサートン高原だ
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Large Purple Line-blue
同じウラナミシジミの仲間だがこちらはヨーク半島で撮影した
オスなので翅表はライトブルーに輝いている
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by mustachio | 2018-12-03 17:00 | Comments(0)